韋駄天ワークス

#2
シリーズ構成:志茂文彦


連載1/4(9月17日 UP)
連載2/4(9月28日 UP)
連載3/4(10月14日 UP)
連載4/4(11月5日 UP)
兵庫の山の中の公園
「いろんな場所に取材に行きます!」
その1:兵庫の山の中の公園



−シリーズ構成とは?

1話ずつ書くシナリオライターさんの中心に立って、監督と相談しながら作品全体の構成を考える仕事ですね。大切な話は自分でもシナリオを書きます。アニメでは、複数のライターでシナリオを書く場合が多いので、みんなをまとめます。だいたいライターを経験してからシリーズ構成になる場合が多いですね。僕も、作品によっては各話ライターをやっていますよ。あとは絵コンテを確認したり、アフレコ現場に立ち会ったりもします。

−どういう流れでシリーズ構成に?

大学の頃からアニメの仕事に就きたいと思っていていましたね。絵は描けないけど文章を書くのが好きだったので、シナリオライターをになろうと思いました。制作スタジオに入って雑用をしたりしながら、通信教育でシナリオを書く勉強をはじめました。

−通信教育?

アニメ雑誌に載っていた通信教育に申し込んで、受講していたら先生から「君はひょっとしたら仕事ができるようになるかも知れないから、紹介してあげる」って言われて。その通信教育は制作スタジオが運営していたので、仕事に直結してたんですね。本当に嬉しかったし、幸運だったです。

−どうやって連絡がきたんですか?

ハガキがきました。課題に沿った文章を書いて送ると、いろいろ「ココを直してください」という返事が送られてくるんですけど、そこに「もう少し書いてみないか」と。そうして更に修行して、実際に紹介してもらいました。

−いきなりプロデビュー?

今はどうかわかりませんが、昔は完全に師匠と弟子という徒弟制度のなごりがあって。僕の場合は、師匠から10年くらい教えてもらってました。その人がシリーズ構成をするときに、各話ライターで参加させてもらって。

−はじめての作品は?

はじめての、プロとしてのシナリオは、東京ムービー(制作スタジオ)の『聖戦士・ロビンJr』ですね。当時流行っていた『シール集め』のアニメだったんですけど。師匠が厳しかったので、プロット(シナリオを書く前のあらすじ原稿)を書いても書いてもOKが出なくてですね〜。結果的にはそれが勉強になったんですけど。

−プロットって難しいんですか?

プロットっていうのは、アイデアなんですよね。それが決まってしまえば書くのはなんとかなったんです。最初の頃なんて、師匠から「なんとなく面白くない」と言われて10回くらい書き直して、やっと監督に読んでもらったら「あんまり面白くない」って結局ボツになったりとか。(笑)でもいろんな人に助けてもらいながら、なんとか書けるようになりましたね。

−そうしてライターとしての腕を磨き、シリーズ構成の仕事も?

今までアニメーターや演出家として、どんな作品でも監督の世界観に合わせる仕事をしてきましたが、それを今度は自分が作らなきゃいけないんで。どうやって自分のイメージ通りのものを作ろうかな、できたらいいなって思ってましたね。

−シリーズ構成の立場でシナリオを書く場合は?

第1話とか最終回、設定に深く関わる話とか主人公が大活躍する話など、きっちり書かなくてはいけないものが多いですね。新しいキャラクターが出る話だと、他のライターさんに理解してもらわなきゃいけないから、どんな性格か何が得意かわかるように書かなくちゃならないとか。

−何がいちばん面白いですか?

僕はキャラクターを作っているときですね。監督と、「こいつはどういうヤツなんだろう?」って相談しながら考えるんですよ。オリジナルの場合、絵がないところから始めることもあって、監督がラフ(スケッチ)を書いてくれてイメージを広げたり。それが、うまくいったときが面白いです。

−次回は『韋駄天翔』制作のお話に迫ります!




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